記事ID10375のサムネイル画像

知らないと知っているとでは大違い、車のエンジンの仕組みを紹介

車のエンジンはレギュラーガソリンや軽油を燃料に動いているのは当然ですが、燃料に違いがある理由はエンジンの仕組みそのものが違うからだという事を知っているでしょうか。今回は、車のエンジンの仕組みについて、エンジンの種類に焦点を当てて紹介していきます。

車のエンジンの仕組み

車のエンジンの仕組み、と話題を上げてみると
「知らないより知っている方が得する事はある」
「そういえばガソリンとディーゼルの違いって何だろう?」
と思っている方は多いと思います。

はたまた
「なんか精密機械だし興味ない・・」
「別に知っていてもなあ・・」
と思っている方も居るかもしれません。

しかし、知っていると知らないとでは大きな違いがあります。
実際問題、2003年にイラク戦争が起こって原油価格が高騰した時、「安いから」という理由でレギュラーガソリンの代わりに軽油を給油した乗用車のエンジンがかからなくなってしまい立ち往生したという事件があったことを覚えているでしょうか。これはまさしく、車のエンジンの仕組みを理解していないから起こった事です。

車のエンジンの仕組みを理解することで、このように自分の愛車を壊さず、またメンテナンスをお願いしたお店で整備士やディーラーの話を聞いた時に「なるほど!こういう原因でトラブルが起っていたのか!」と、車の事をもっと理解出来る事にも繋がります。

そこで今回は、車のエンジンの仕組みについて、エンジンの種類とそれぞれの仕組みと特徴を紹介していきます。

車のエンジンの仕組み・ガソリンエンジン

まず紹介するのは、私たちが普段乗る乗用車で一般的に使われているガソリンエンジンの紹介です。後述のロータリーエンジンも「ガソリンを使用するじゃないか!」と言われるかもしれませんが、今回は仕組みと特徴の紹介なのでご了承ください。

ガソリンエンジンは、文字通りガソリンを燃料にして動く内燃機関です。
仕組みとしては、アクセルの開き具合によって空気の吸い込む量とガソリン量を調節してエンジン内部の燃焼室へと送り込み、燃焼室でガソリンと空気の混合気が爆発します。爆発した後は燃焼ガスとして燃焼室から排出されます。いわゆる「吸気→圧縮→燃焼→排気」の仕組みです。この一連の動きをする部品の特徴から、往復という意味から「レシプロエンジン」という別名も持ち合わせています。後述するディーゼルエンジンもレシプロエンジンの一つに数えられます。

メリットとデメリット

メリットとしては
・車のエンジン回転数が高速回転まで上がる
・重量や容積に対する出力が大きい

デメリットとしては
・燃焼室内で着火させるので圧縮比が抑えられるため、燃焼効率が悪い
・エンジン出力が吸気(≒アクセル開度)に依存する

といった仕組みによる特徴が存在します。

車のエンジンの仕組み・ディーゼルエンジン

次は、ディーゼルエンジンの仕組みについて紹介します。乗用車ではあまり使われていませんでしたが、最近では日産やマツダの乗用車などで「クリーンディーゼル」と言ったCMが流れるなど、だんだん採用され始めているエンジンの種類です。それでは、その仕組みを見てみましょう。

ディーゼルエンジンの仕組みはガソリンエンジンとは少し仕組みが違います。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンとは違い、ガソリンではなく軽油を使用します。これは、ディーゼルエンジンの仕組みとして、「引火と着火」という大きな違いがあります。ガソリンの場合、スパークプラグから飛び散った花火により「引火」しますが、軽油の場合は「圧縮された空気の中で着火」します。

よって、ディーゼルエンジンの車は一般的にエンジンの燃焼効率が高く、エンジンの仕組みも大きく違います。ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの仕組みの説明として大きな違いは「スパークプラグの有無」「圧縮比の差」にあります。

メリットとデメリット

メリットとしては
・軽油など、精製度合いの低い安い燃料を使用できる
・高圧縮空気の中で着火→爆発するため、エンジンノッキングが発生しにくい

デメリットとしては
・安い燃料を使用できる反面、エンジンオイルに特殊なものを必要とする
・エンジン回転は低い回転域が使えるため車の発進には有利だが、多段変速が必要になる

といった仕組みによる特徴があります。

ディーゼルエンジンで有名な車といえば

メルセデスベンツ・Eクラス

ディーゼルエンジンを搭載する有名な車

やはりディーゼルエンジン搭載の車で有名なものでは、1936年からディーゼルエンジン乗用車を発売しているメルセデスベンツでは無いでしょうか。2015年にはSクラスの新型ディーゼルハイブリッド車が発売されるなど、ディーゼルエンジンの車といえばベンツという方も少なくありません。

車のエンジンの仕組み・ロータリーエンジン

次はロータリーエンジンの仕組みについて紹介します。ロータリーエンジンと言えば、マツダの車に使われているエンジンだというイメージが強く、RX-8などでも使われていましたね。それでは、その仕組みについて説明していきます。

ロータリーエンジン

レシプロエンジンと違い、ピストンやコンロッドが存在しない。その仕組みはどうなっているのか。

ロータリーエンジンの仕組みは、先述した二つのレシプロエンジンと違い「往復運動(レシプロケーション)を回転運動に変えてパワーを出す仕組み」をもたず、「回転運動をする機構内部の容積変化を利用して回転運動に変えてパワーを出す仕組み」となっています。

残念ながら、レシプロエンジンと違い、機構についての説明がものすごく長文になってしまうため、下記に参考記事としてリンクを記載します。申し訳ありません。

ロータリーエンジンの内部構造を再現(CG)

説明記述は英語ですが、こちらに詳細なCGの動画を記載します。

メリットとデメリット

メリットとしては
・燃焼温度が低く、有害物質の排出が少ない
・同じ総排気量の車同士だと出力が大きくなる

デメリットとしては
・エンジンオイルの消費量が多い
・低回転域では燃費の悪さが目立つ
といった仕組みの特徴があります。

ロータリーエンジンで有名な車といえば

マツダ・787B

ロータリーエンジンで有名な車と言えば、ル・マン24時間耐久レースを制したこの車

ロータリーエンジンを搭載した車で有名な車には、同じくマツダの787Bが存在します。
1991年のル・マン24時間耐久レースで優勝した車ですね。レシプロエンジンとロータリーエンジンの仕組みの違いを利用し、圧倒的な燃費とパフォーマンスを発揮して優勝しました。先述では「低回転域で燃費が悪い」と書きましたが、エンジンの高回転域ではレシプロエンジンに比べると燃焼効率が高いため、レーシングカーという高回転域を酷使する点、ル・マンのサーキットが比較的高速サーキットである点をうまく利用した功績だと言えます。

まだまだ奥が深い、車のエンジンの仕組み

いかがだったでしょうか。今回は、車のエンジンの仕組みについて紹介しました。
今回は「仕組みの違いによるエンジンの種類」を紹介しましたが、車のエンジンは様々な金属部品が複雑に組み合わさっており、それらの部品が成立してエンジンは動いています。
他にも、部品の配置によって「V型エンジン」「水平対向型エンジン」などといったエンジン種類の区分もあります。

みなさんも、ぜひこの記事を参考に、一度車のエンジンの仕組みについて調べてみてはいかがでしょうか。
普段目にするエンジン部品やエンジンの種類についての知識があれば、より一層車への愛着が湧いてくると思います。

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ