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世界でも有名な自動車メーカー!トヨタの生産方式についてチェック

「ジャスト・イン・タイム」「カンバン方式」「自働化」などなど。職場の研修・会議などでも聞くことが多いトヨタ生産方式のキーワードたち。でも「トヨタ生産方式」ってなに?と思われる方もいらっしゃると思います。そこで今回はトヨタの生産方式についてご紹介します。

日本を代表する自動車メーカーである「トヨタ自動車」

トヨタ生産方式

トヨタ自動車株式会社は、世界最大手の日本の自動車メーカー。単一メーカーとしては日本最大で、世界各地に拠点を有していると同時に、トヨタグループの中核を占める。2015年3月期連結売上高27.2兆円は国内首位。

経営

1950年(昭和25年)の経営危機を教訓とし、大野耐一が中心となって、「改善」、ジャストインタイム(JIT、カンバン方式)からなるトヨタ生産方式を確立。また販売を重視し、銀行融資に頼らず自己資本の充実に努め、名古屋式経営の見本ともされる無借金経営で優良企業の代表的企業とされています。多大な自己資本を抱え、トヨタ銀行とも称されています。

2007年3月期連結決算(米国会計基準)では営業利益が2兆2,386億円となり、日本企業として初の2兆円の大台を突破し、2008年3月期には7年連続で最高記録を更新し営業利益を2兆2,703億円まで伸ばしたことからマスコミから絶賛されました。

開発思想

トヨタの80点主義というのは有名ですが80点主義とは、1966年(昭和41年)に発売された初代カローラの開発主査である長谷川龍雄が打ち出した考え方。商品の完成度を高める一方で、一部の飛び抜けて優れた機能や性能を追いかけることなく、まず全ての項目において最低でも80点を目指し、及第点に達したのち更に上の点数を順次達成していくトータルバランスを念頭に置いた企業思想のことです。

技術力

トヨタの技術力

トヨタは1950年代から品質管理に力を入れてきました。たとえば、ドアやトランクリッドなどと外板の隙間を狭く均一に仕上げる技術や、ドアの閉まり音、遮音性など、ユーザーにも容易にわかる部分の品質管理には定評があります。手堅い既存技術をブラッシュアップし、低コストで比較的質の高い製品を作る技術に長けており、顧客満足度は高くなっています。

トヨタ生産方式とは

トヨタ生産方式(Toyota Production System、略称TPS)は、トヨタ自動車の生み出した、工場における生産活動の運用方式の一つ。現在では多くの企業がこれにならった方式を取り入れており、工場等の製造現場やそれに付随するスタッフ部門だけでなく、間接部門でも取り入れている企業も見られます。

生産方式ができたきっかけ

トヨタの生産方式

戦後の国内自動車市場は、米国の自動車メーカーの独壇場でした。弱小自動車メーカーに過ぎなかった「トヨタ自動車」が米国の自動車メーカーに対抗するには、技術力だけでなく原価(コスト)面で工夫をする必要がありました。そしてトヨタ自動車の副社長だった大野耐一が《ムダの徹底的排除》の思想に基づいて、《生産方式の合理性》を追い求め体系化していったものが「トヨタ生産方式」。

「トヨタ生産方式」を貫くのが《ムダの徹底的排除》の思想

「トヨタ生産方式」における”7つのムダ”

1)造りすぎのムダ
2)在庫のムダ
3)手持ちのムダ
4)運搬のムダ
5)加工そのもののムダ
6)動作のムダ
7)不良,手直しのムダ

トヨタ生産方式では、ムダを「付加価値を高めない各種現象や結果」と定義しています。このムダを無くすことが重要な取り組みとされ、このムダとして代表的なものとして上記の7つがあり、それをトヨタ生産方式では「7つのムダ」と表現しています。

また「加工」の「か」、「在庫」の「ざ」、「造りすぎ」の「っ」、「手待ち」の「て」、「動作」の「と」、「運搬」の「う」、「不良」の「ふ」、と頭文字を取れることから、「飾って豆腐」とも呼ばれています。

「トヨタ生産方式」のキーワード

トヨタ生産方式:《ジャスト・イン・タイム》《カンバン方式》

ムダな部品在庫を持たない!

“必要な物を、必要な時に、必要な量だけ生産する”
生産工程において部品の不足・欠品は作業の停滞を意味し、計画どおりの生産が行えないのはもちろん、待ち時間の間は設備や工員が遊休化するというムダが生じます。逆に余剰に仕掛品を持つと保管コストが掛かるうえに、在庫資産を眠らせておくことになり投資効率の面でムダが生じるということになります。

そこで、生産の各工程が作業を行うタイミングに合わせて、必要なものだけが到着するようにして使い切ってしまえば、最も効率的だ!こうした考え方がジャスト・イン・タイムです。

トヨタ生産方式:《自働化》

ムダな不良品の生産防止・少人数でのオペレーション

「無駄の徹底的な排除」を実現するための方法の一例として、「自動化」・「機械化」の意味合いを持つ言葉として自働化があります。無駄は排除しなければならないが、合理化を進めるあまりに従業員の人間性やインセンティブ(労働意欲)を無視してはならない。このことから、トヨタ自動車では自動化の事を自働化と呼んでいます。

自働化とは、自動化機械に対して、ムダな不良品を作り出す原因を検出して自動停止するシステムを付加することにより、異常時を除きムダな人手を必要としない状態にすることをいいます。異常や欠陥が発生したら直ちに製造装置や生産ラインを停止して、不良品を作らないという考え方でもあります。

トヨタ生産方式:《五回のなぜ》《カイゼン》

ムダな問題原因の徹底追及・ムダの改善

「五回の『なぜ』を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる。」と元副社長大野耐一が言っている様にトヨタの現場で行われた問題事象の原因を追究する方法です。

《カイゼン》とは、効率を向上させるために作業時間を縮めたり、工具に改良を加えるなど、生産現場における無駄を見つけ、なるべく費用をかけずに迅速になくすことをいいます。

トヨタ生産方式:《多能工化》《平準化》

一人が複数の業務を覚え、全体の作業量にムラがないようにする

複数の業務ができる《多能工》が多く存在すれば、柔軟な組織となり、全体の作業量も《平準化》されます。

《平準化》とは、業務量・業務負荷などが特定の時期に集中しているといった偏りを減らし、均等に近づけることをいいます。《多能工化》が進んでいれば、忙しい業務を複数の人が分担し、《平準化》することができます。

トヨタ生産方式のデメリット

トヨタ生産方式

①平準化出来ない商品の生産には使えない
自動車産業において、車は日々必ず売れていく商品です。確かに、年度毎の上下はあります。しかし、カイロを製造する会社の生産量と比べるとどうでしょう?冬に需要が高まるカイロは春先に大量に生産をしても全く意味がありません。過剰な生産在庫を持ち、費用が発生するだけです。自動車のように一定の生産数量を確保し、製造出来る産業だからこそトヨタ生産方式というのは成り立っているということを忘れてはいけません。

②在庫欠品になるおそれがある
日々、在庫欠品という恐怖に怯えることがあります。確かに、発注した通りに材料が必要なタイミングに納入されれば何も問題はありません。しかし、冬であれば雪の影響、夏であれば台風の影響等、必ずといって良い程、トラブルは発生します。材料が納入されず一つの生産工程がストップすれば、その後に控える工程がすべてストップするのです。

③大量購入におけるコストダウンを計りにくい
この問題は、スーパーの商品が個人商店で購入するよりも安いという事をイメージすればよく分かるかと思います。なぜ、同じ商品であっても単価に差が出ているのでしょう?それはつまり、大量に購入することで、コストダウンを行っているのです。しかし、かんばん方式の場合、必要な時に必要な材料しか購入(発注)を行いません。鋼材のように日々値段が変動する材料の場合、日によって単価が違うといった事例が発生します。

トヨタ生産方式

優れた点が多くあるトヨタ生産方式ですが、すべての生産過程で適応出来るという事ではないのかもしれません。

トヨタ生産方式について、まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はトヨタ生産方式についてご紹介してきました。企業の間では有名な生産方式で、採用している会社も多いようです。トヨタが大きく成長するきっかけとなったこの生産方式からは色んな事が学べると思いますし、知ってて損はないと思います!

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