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    知ってますか?エンジンオイルの交換、何を比較して選べばいいの?

    カーショップやディーラー等でエンジンオイルを交換する時、何を比較して選んでますか?メーカーですか?数値ですか?何を基準に比較すればいいのか判らないと自分の車にあったエンジンオイルは選べません。そこで今回は、エンジンオイルの規格や種類について比較してみました。

    エンジンオイルの種類

    エンジンオイルの交換、何を比較して選んでますか?

    エンジンオイルには大きく分けて、「ガソリンエンジンオイル」と「ディーゼルエンジンオイル」の2つの種類があります。
    この2種類のエンジンオイルを比較してみると、基本的な性能の部分ではあまり変わらないのですが、使用する燃料の違いから、異なる点があります。

    ディーゼルエンジンは軽油を燃料として走ります。
    軽油の中には硫黄分が含まれていて、これが燃焼すると「硫黄酸化物」になります。
    この「酸」がエンジン内部を腐食させてしまうので、それを防ぐために、ディーゼルエンジンオイルには、酸を中和させる「アルカリ分」が入っています。

    ディーゼル用エンジンオイル

    この点が、「ガソリンエンジンオイル」と「ディーゼルエンジンオイル」の違いです。
    ですからディーゼル車には、ガソリンエンジンオイルは決して入れないで下さい。
    でも逆にガソリン車に、ディーゼルエンジンオイルを入れても、基本的には大丈夫です。

    また、ガソリン車・ディーゼル車、どちらに入れても大丈夫な「ユニバーサルオイル」もあります。

    ユニバーサルオイル

    製法による違いの比較

    エンジンオイルのベースオイルは、製法の違いによって、「化学合成油」「部分合成油」「鉱物油」の三種類に分けられます。
    それでは、ベースオイルの製法の違いによる、特徴を比較してみましょう。

    化学合成油

    原油を精製する際に、不純物を可能な限り排除し、オイルに必要な成分を化学的に合成した、高性能エンジンオイルです。
    鉱物油と比較すると、低温流動性や剪断安定性に優れ、耐熱性も高く、揮発性も低く、あらゆる条件下で安定して高性能を発揮できるオイルです。
    その分他と比較すると、値段がけっこう高めです。

    化学合成油 他と比較して、スペックもお値段も高めです。

    鉱物油

    原油を蒸留して精製した、昔ながらのエンジンオイルで、一般的に最も普及しています。
    化学合成油と比較すると、分子構造にバラツキがあるので、酸化しやすく、耐久性が低いです。
    その分値段は、比較的安いので、頻繁に交換することで、エンジンの状態をフレッシュに保つ事も可能です。

    鉱物油 比較的安価なので助かります。

    部分合成油

    化学合成油と鉱物油のブレンドです。
    化学合成油の割合が20%以上と定められています。
    鉱物油の弱点である、酸化や劣化を抑える事を目指していますが、化学合成油と比較すると、その差は大きいです。
    ただ値段は、比較的経済的なので、使い勝手の良いエンジンオイルだと言えるでしょう。

    部分合成油 比較的安価で耐久性もあります。

    エンジンオイルの粘度の比較

    エンジンオイルの表記に《10W-50》等と表記があります。
    暗号めいたこの表記は、エンジンオイルの粘度を表します。
    この表記の見方が判れば、店頭で、エンジンオイルのタイプを比較できるのです。

    《10W-50》
    を例にとってみると、最初の《10》は低温時の粘度を表します。数字が小さいほど、低温時でも柔らかく、寒さに強い、と言えます。
    《W》は冬期、WinterのW。
    最後の《50》は高温時の粘度を表します。数字が大きいほど、高温時でも硬さを保つ、高回転に強い、と言えます。

    比較的粘度が柔らかめのオイルです。

    例えば、《10W-50》と《5W-30》を比較してみると、
    《10W-50》の方が、高温・高回転時に強く、粘度の硬いオイルで、
    《5W-30》の方が、低温時の始動性に優れていて、粘度が柔らかいオイル、と言えるでしょう。

    エンジンオイルのグレードの比較

    エンジンオイルには、アメリカ石油協会(API)が定めた、グレードの規格があります。
    SA~SNにまで分類されていますが、その内、最近店頭で売られているものを、比較して見ていきましょう。

    APIのマーク

    SJ級

    1996年以降のガソリン車に対応。それ以前のSH級よりも、耐酸化性能、耐摩耗性能等に優れています。
    因みに、国際潤滑油標準化認定委員会(ILSAC)が定めた規格では、GF-2 に当たります。

    SL級

    2001年以降のガソリン車に対応。
    SJと比較すると、触媒を保護する為のオイルの低リン化は同じくらいですが、省燃費性や排出ガスの浄化、高温時のオイルの耐久性能等が優れています。
    国際潤滑油標準化認定委員会(ILSAC)が定めた規格では、GF-3 に当たります。

    SM級

    2004年制定。
    SLと比較すると、省燃費性、有害な排気ガスの低減、エンジンオイルの耐久性等が向上しています。
    国際潤滑油標準化認定委員会(ILSAC)が定めた規格では、GF-4 に当たります。

    SN級

    2010年制定。
    これまで最も厳しい規格だったSMと比較しても、省燃費性能、オイル耐久性、触媒システム保護性能等が強化されています。
    省燃費性能はSM規格と比較して0.5%以上、オイル耐久性はデポジットの発生をSM規格と比較して14%以上、それぞれ改善するように作られています。
    国際潤滑油標準化認定委員会(ILSAC)が定めた規格では、GF-5 に当たります。

    自分の車をよく知ろう

    いかがでしたか?
    今回はエンジンオイルの種類の見方について見てきました。
    高スペックで値段が高いオイルが良いのか、と言うとそうでもなくて、何よりも車に合ったオイルを選ぶことが大事です。

    エンジンオイル、何を比較して選ぶか、答えは無数にあります。

    車種や車の状態、車の使用状況や用途などによって、「車に合うオイル」は変わってきます。
    車に合ったオイルを選べば、エンジンを長持ちさせる事もできるでしょうし、合っていないオイルでは、エンジンの性能を上手く引き出せないでしょう。
    自分の車をよく知って、エンジンオイルの種類や傾向を知ることで、何を基準に比較して選べば良いかが、見えてくると思います。

    次回エンジンオイルの交換の時に、自分の車に合ったオイルを探すための参考にしてみてください。

    車に合ったオイルに交換して、ドライブを楽しみましょう。

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