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農道のポルシェと言われたトラック?!スバルサンバーの魅力とは?

スバルが現在も販売しているスバルサンバー。スバルブランドの中では最長寿モデルで、今年で発売から56年を迎えました。そのサンバーがなぜ長く受け入れられてきたのか、その理由を歴代モデルとともに調べてみました。そこにはスバルのこだわりと情熱が垣間見えました。

スバルサンバーってどんなクルマ?

スバルサンバー(初代)

スバルサンバーはスバルが1961年から現在まで販売している軽商用車です。2012年4月までの6代目モデルまでは同社が自社で開発、生産を行っていました。7代目以降はダイハツ・ハイゼットのOEMとなり、ダイハツ工業が生産しています。

「サンバー」という名前は、インド語で水鹿を意味するもので、スバルでは最も長く使用されているネーミングです。

サンバートラック(初代)

前開きのドアが時代を感じさせませね。

では、スバルブランドの中で最も長い歴史を持つスバルサンバーについて、その理由が何なのか、様々な面から見ていきたいと思います。

スバルサンバーの性能は?

まずはじめにスバルサンバーの性能について見ていきましょう!

スバルサンバー(2代目)

2代目は1966年に登場。オプションで副変速機を装備した、前進6段・後進2段のオーバートップ付を選ぶこともできた。1968年には3段+オーバートップ付に変更されました。またこのモデルの後期から、フロントドアが前開きから現在のような後ろ開きに変わります。

スバルサンバーは、現在のダイハツからのOEMを受けるまで、一貫して変わらない特徴があります。1つ目はエンジンレイアウトです。それはリアエンド床下にエンジンを横置きに搭載するリアエンジンレイアウトの採用です。採用の理由は、特に積空差の大きい軽トラックにとって荷台の床下にあるエンジンは、格好のバラスト役を果たすことから、空車時でも十分なトラクションが確保され、安定した走行、登坂能力を得られるからです。

サンバートラック(2代目)

当初はエンジンの搭載位置からエンジンルームが階段状になり、床面積を十分活用できない低床2方開のみでしたが、すぐに3ドアのライトバン、さらに二段広床式荷台(エンジンルームと同じ高さの水平パネルをキャビン背後まで張りにした仕様。もともとの低い荷台部分は鍵付ロッカーとなる)など、バリエーションを広げました。

エンジンレイアウトに続いて変わらない特徴の2つ目は、キャブオーバーレイアウトを採用したことです。そして3つ目はシャシーです。一般的な低床式のラダーフレーム(ハシゴ型)を用いて、横置きトーションバースプリングとトレーリングアームを組み合わせた四輪独立懸架式を採用しています。そのため商用車としては、異例の乗り心地を誇りました。

また、1980年に通常型軽トラック・軽キャブオーバーバンとして初めて四輪駆動方式を一部を除きオプション設定し、実用性の向上に大きく寄与しました。他にも全車前輪ベンチレーテッドディスクブレーキ、直列4気筒エンジンの採用、またエアバッグの2センサー化も普通乗用車よりも早く採用していました。

4気筒エンジン導入後の1990年代からは、日本でも数少ないスーパーチャージャー装備モデルが設定されました。最高出力は58馬力(6代目モデルの場合)を発生し、高速道路での走行も多い赤帽便用などに重用されました。

スバルサンバー(3代目)

この3代目から初代以来の空冷エンジンが、水冷エンジンに換装されます。そして、リアのテールランプにおけるワンテールをやめて、リアのウインカーランプをブレーキランプと独立させ、橙色としました。

では、そんな長い歴史を持つスバルサンバーユーザーのレビューを見ていきましょう!

『SUBARUならではの高回転4気筒エンジン(CLOVER4エンジン)スムーズでトルクのある加速性能。振動が非常に少ない。硬い足回りでハンドリングに対して素直に追従する機動性。独立4輪サスペンションにより車体の揺れを防ぐ』

『ナチュラルなフィーリングでいい感じ。運転して気持ちがいい。満足度高い。RRなので、他とくらべて空荷でも空転しにくい。』

スバルサンバー6代目ユーザーの意見が多く聞かれましたが、そのほとんどが、4気筒エンジンの滑らかなフィーリング、スーパーチャージャー付きではさらに力強さを評価されていました。また、トラックのユーザーからは4輪駆動の走破性や空転の少ないエンジンレイアウトに評価が集中していました。

スバルサンバーの乗り心地とデザインは?

さて、そんなスバルサンバーの乗り心地とデザインはどうでしょうか?商用車とはいえやはり気になる部分ですよね。では見ていきましょう!

サンバートライ(4代目)

軽自動車の規格変更により、スバルサンバーは4代目にフルモデルチェンジされます。この4代目でワゴンは「サンバートライ」という別名になり、商用車のイメージだったバンをワゴンというカテゴリーに変化させた1台になると思います。

サンバートライディアス(5代目)

5代目のスバルサンバーの大きな変化は、エンジンの4気筒化と本格的な無段変速機であるECVTの採用です。4WDはパートタイム式とビスカスカップリング式フルタイム4WDの2種類を用意し、トランスミッションにはEL付き5速MTを採用していました。ワゴンの名称も「サンバートライ」から「サンバーディアス」に変わっています。

スバルサンバークラシック

またこの5台目には軽自動車におけるクラシックカー風デザインブームの火をつけた「ディアスクラシック」が設定されていました。これは、もともと長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」の為だけに製作された1台でしたが、1993年の東京モーターショーで評判になり、カタログモデルになりました。

スバルサンバーバンWR LIMITED (6代目)

1999年以降スバルは2012年に自社生産を終えるまでの約13年間、この6台目サンバーを生産をしてきました。4気筒のエンジンはリアに積まれるために静粛性も高く、4輪独立懸架式のサスペンションの為乗り心地も良く、フルキャブオーバー型の為、長尺物も積載できるということでかなりのサンバーファンを作った1台です。

では、実際のスバルサンバーのユーザーは乗り心地とデザインについてのどう感じているのでしょうか?見ていきましょう!

『柔らかいが高重心のサンバーをしっかり受け止める柔軟性と乗り心地を提供するサスペンション。ホイールベースが短く非常に小回りが効く取り回しの良さ。』

『この車の最大の利点と言えばクラス最大の室内の広さじゃないでしょうか。バンでも後部座席を倒せばコンパネを切らずにそのまま載せる事が可能ほど広いです。』

『でこぼこ道は腰に来ます。フルキャブだから仕方がないかもしれませんけど・・・やわらかい乗り心地が一転、跳ねる跳ねる。悪路の走行にはがっかりでした。』

乗り心地についてはその4輪独立懸架式が表裏一体になっている感じでした。舗装路では抜群の乗り心地を提供する反面、路面が荒れていると、フルキャブオーバーのレイアウトも重なって、かなり強めに跳ねるという方も見受けられました。デザインについてはいかにもバンという感じはするものの、その積載性能を考えると、あまり気にならないという意見が多数を占めました。

スバルサンバーの価格は?

それではスバルサンバーの価格を見ていきましょう!

スバルサンバーバン(現行)

現行のスバルサンバーの価格は次の通りです。
VB 5MT 2WD 936,000円 〜 
VCターボ 4AT 4WD 1,440,257円(税込) 

サンバートラック

現行のスバルサンバートラックの価格は次の通りです。
TB 5MT 2WD 653,400円 〜 
グランドキャブ 4AT 4WD 1,374,840円(税込) 

スバルサンバーの総括

スバルサンバートラック WR LIMITED

トラックにもスバルのイメージカラーWRブルーが映えますね。このサンバーWR LIMITEDは限定ということもあって、販売完了後も中古車市場で高値をつけています。

スバルサンバーは、現在のOEMサンバーを除いて、スバルが約50年もの間、基本理念は変えずに、時代に合わせるべく様々な改良を続けていった1台ですその結果、長い間多くの人に愛され続けてきたのだと思います。

生産コストや安全性の観点から現行はダイハツのOEMに変わりましたが、今後もスバル製スバルサンバーは多くの人に愛されていく気がしました。

さて、スバルサンバーについていろいろ調べてきましたが、いかがでしたか?現行モデルよりもスバルが開発、販売していたスバルサンバーを中心に話してきましたが、そこにはスバルの屋台骨を支えた車であることがわかっていただけたら幸いです。

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