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世界最速の4ドアセダン、アストンマーチン・ラゴンダとはどんな車?

1974年、「アストンマーチン・DBS」をベースに開発した「アストンマーチン・ラゴンダ」として再び復活。いつしかアストンマーティンの4ドアとは、ラゴンダを指すようになった。アストンマーチンの究極の高級車、ラゴンダとはいったいどんな車だったのだろう。

アストンマーチン・ラゴンダの概略紹介

 アストンマーチン・ラゴンダは、イギリスの自動車メーカーであるアストンマーチンが1974年から1990年まで製造していた大型高級4ドアセダンです。

アストンマーチン・ラゴンダ

 アストンマーチン・ラゴンダは、DBSをベースに4ドアセダンに仕立て直されたモデルです。DBSのホイールベースを約300㎜延長し、4ドアとして生産を開始しました。

アストンマーチン・DBS

 ラゴンタのベースとなったアストンマーチン DBSです。アストンマーチンの多くの車の名前となっている「DB」とは1947年にアストンマーチンを買収したデイビッド・ブラウンの頭文字に由来しています。

 一方、ラゴンダのデザインはアストンマーチン・V8を参考に開発されました。

アストンマーチン・V8

 ラゴンダがデザインを参考にしたアストンマーチン V8です。アストンマーチン DBSの発展形として知られています。

 それでは、アストンマーチン・ラゴンダの性能とデザインを順次紹介していきましょう。

アストンマーチン・ラゴンダ(シリーズ1)

 アストンマーチンの初代ラゴンダが発表されたのは1974年です。ベースはアストンマーチン DBS、デザインはアストンマーチン V8を参考にした、アストンマーチンらしさを掛け合わせた車です。

 1974年と1975年のたった2年間のみ販売され、その生産台数はわずか7台でした。

アストンマーチン・ラゴンダ シリーズ1

販売期間 1974 - 1975年
乗車定員 5 人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン V型8気筒 DOHC 5,340cc
変速機 5MT/3AT
駆動方式 FR
全長 4,900×全幅1,830×全高1,370㎜
ホイールベース 2,915㎜
車両重量 2,000㎏

性能

 メカニズムはアストンマーチンV8のものを流用していて、最高速度は240km/h。当時は「世界最速の4ドアセダン」という異名を持ちました。

エンジン V型8気筒DOHC5,340㏄メカニカルインジェクション
最高出力 280PS/5,500rpm、ヨーロッパ仕様305hp
最大トルク 48.7kgm/3,100rpm

デザイン

 改良型のアストンマーチン・V8を基本とし全体がゆるやかな曲面で構成されており、V8の4ドア版という印象です。フロントフェンダーの2連ダクトを継承しており、リア周りも同様で主要部品も多く流用されています。V8同様、真正面から見た顔つきは同時代のフォード・マスタングにも似ています。

アストンマーチン・ラゴンダ(シリーズ2)

 アストンマーチン・ラゴンダ(シリーズ2)は、1976年10月の英国国際モーターショーで発表されました。デザインから構造まで一新された新開発のモデルであり、アストンマーチンは「スポーツカーメーカーが作る4ドアセダン」という市場に着目し登場させたのです。

アストンマーチン・ラゴンダ(シーズン2)

販売期間 1976~1986年
乗車定員 5 人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン V型8気筒 DOHC 5,340 cc
変速機 3AT
駆動方式 FR
全長5,280×全幅1,790×全高1,300㎜
ホイールベース 2,910㎜
車両重量 2,040 kg

 当時、この市場での競合車種はマセラティ・クアトロポルテやデ・トマソ・ドーヴィルといった少数の高価格車のみでした。ラゴンダの日本向けは約3,900万円で販売され、後年になるにつれ上昇し最終的には4,500万円ほどになりました。

 生産台数は465台。

性能

 エンジンはアストンマーチン・V8と共通のV型8気筒で 
総排気量 5,340cc
最高出力 243PS/5,000rpm
最大トルク 44.2kgm/4,000rpm。

デザイン

 エクステリアは、過去の伝統をすべて排除し、低く長く、そして未来的になった。フロントには小さなフロントグリルとその横にずらりと並べたランプ類、リトラクタブル・ヘッドライトを備える。リアにはそれと対をなすように、整然と並べられた薄型ランプ。極端なロングノーズ・ショートキャビンであり、エッジの効いたボディラインはまるで折り紙のようでもある。異形であるが、最高級セダンとして極めて個性的であり、モダンな雰囲気を強く感じさせる。

アストンマーチン・ラゴンダ(シーズン2)

 インテリアは、最上級のコノリーレザーまたはベロア、ウッドパネルなどを採用し贅をつくしている。シートには同時期のアメリカ製高級車を思わせる豪奢なデザインを採用しており、外観の先鋭さと比べいささか異なった趣を持つ。市販車としては世界初となるデジタルメーターと車両管理コンピュータが採用されている。

アストンマーチン・ラゴンダ

アストンマーチン・ラゴンダ

 シリーズ2の途中で、初期モデルでは「はめ殺し」であったリヤウインドを開閉可能にするため三角窓を追加、デジタルメーターの表示パネルをLEDからブラウン管に変更、多言語に対応し、英語・ドイツ語・フランス語・アラビア語にそれぞれ表示切り替えが可能となった。

アストンマーチン・ラゴンダ

 1976年、当時の大卒平均初任給は94,300円。ラゴンタは3,900万円で販売されていました。

アストンマーチン・ラゴンダ

 メーターが全部ブラウン管

アストンマーチン・ラゴンダ(シリーズ3)

 1986年にはエンジンがインジェクション化されました。生産台数は75台です。

アストンマーチン・ラゴンダ(シーズン3)

販売期間 1986 - 1987年
乗車定員 4 人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン V型8気筒DOHC5,340cc
変速機 3AT
駆動方式 FR
全長5,280×全幅1,790×全高1,300mm
ホイールベース 2,910 mm
車両重量 2,023 kg

アストンマーチン・ラゴンダ(シリーズ4)

 生産台数は105台。シリーズ4においては1週間あたり約1台という生産ペースでした。

アストンマーチン・ラゴンダ(シーズン4)

販売期間 1987 - 1990年
乗車定員 4 人
ボディタイプ 4ドアリムジン
エンジン V型 8気筒 DOHC 5,340cc
変速機 3AT
駆動方式 FR
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン/後:トレーリングアーム
全長5,360×全幅1,790×全高1,310mm
ホイールベース 2,910mm
車両重量 2,040kg

性能

 エンジンはV型8気筒で5,340cc、ボッシュ製Lジェトロニックで240PS/5,500rpm、39.8kgm/2,200rpm。0-100km/hが8.8秒、最高速度は230km/h。

デザイン

 大幅な変更が実施され、ラゴンダは全体的に若返りました。
・角張っていたボディの角が丸まり、ボリューム感が増大
・ボディサイドのキャラクターラインやクロームメッキのモールが廃止
・フロントグリルがカラード化
・ドアミラーのデザインが変更
・リトラクタブル・ヘッドライトが廃止され、角目6灯の固定式ヘッドライトに変更
・フロントのウィンカーランプ設置場所をバンパー内部に移動
・薄い長方形型リアランプユニットを二段重ねから一段に変更、設置場所をトランクリッド側からボディ側に移動

 デジタルメーターの表示パネルが変更され、表示部分が大幅に拡大されました。

まとめ

 アストンマーチン・ラゴンダについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

アストンマーティン ラゴンダ タラフ

 アストンマーチンの新型モデルとして、超高級セダン「ラゴンダ」が200台限定で販売されることが、2014年7月に正式に発表されました。もう納車が始まっているようで、その価格は1億3000万円、ロールスロイス・ファントムが2台弱買える値段だとか。真偽のほどはわかりません。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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