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プリウスハイブリッドバッテリー交換費用から内部の仕組みまで大解剖

ハイブリッドカーの代名詞ともなったプリウスですが、驚異的な燃費性能を手に入れた秘訣は、実はバッテリーにもありました。そこでプリウスのバッテリーはどうなっているのか?これまであまり触れられなかった、プリウス用バッテリー交換費用から進化の系譜まで紐解いていきます。

リッターあたり燃費40キロに迫る、プリウスバッテリーの進化

プリウスはハイブリッドカーとして大成功を収めた誰もが知るトヨタの大ヒット作です。優れた低燃費はハイブリッドカーならではのものですが、実はその進化の影に、バッテリーの性能向上によるものも大きいのです。

プリウス バッテリー

エンジンやバッテリーの進化によって、リッターあたりの燃費性能を大幅に向上させた新型プリウス

新型プリウスは、ベースモデルでリッターあたり40キロに迫る燃費を達成した脅威のハイブリッドカーです。エンジンや車体の改良はもちろん、バッテリーを主体とするハイブリッドシステムの進化もこの燃費性能に大きく貢献しました。

プリウス バッテリー

プリウスは年代ごとにバッテリーが進化し、その都度最新のパワーユニットに進化しています。

プリウス 歴代モデルのバッテリーと交換費用

プリウスはこれまでどのようにバッテリーを改良していったのでしょうか?歴代プリウスから、進化の歴史を辿ってみましょう。

初代プリウスはニッケル水素バッテリー

初代プリウス バッテリー

初代のプリウスはまだバッテリーが過渡期で、放電性能、容量とも現代のものとは比較にならないほど発電効率に劣っていました。また寿命もあり、場合によってはランニングコストも高額になるとも噂もありましたが、その真相は!?

初期のプリウスはニッケル水素バッテリーが搭載されていました。ニッケル水素バッテリーは価格が安い反面、継ぎ足し充電にはメモリー効果が発生し、電池容量が減少したり、寿命が短くなったりと弱点があります。プリウスのバッテリーは比較的寿命が長いですが、それでもリチウムイオン電池との性能差は歴然です。

3代目プリウスまで採用されたニッケル水素バッテリー

とはいえニッケル水素もまだ進化を続け、よりメモリー効果が少なく、なおかつ高出力なバッテリーを開発し、3代目プリウスまで採用していました。

3代目プリウス バッテリー

トヨタは3代目プリウスまではニッケル水素バッテリーにこだわり続けました。
※プリウスαを除く

ニッケル水素バッテリーと行っても、実は安全性に関してはリチウムイオンバッテリーよりも高いメリットがあります。また現時点ではまだ製造コストが安いのです。もちろん性能面ではリチウムイオンに軍配が上がるものの、プリウスクラスのクルマを動かすには、ニッケル水素でも十分対応。寿命も20万キロ程度までなら、十分に使用可能です。

新型プリウス ついにリチウムイオンバッテリーを採用

そんなプリウスでしたが、新型となる4代目でついにリチウムイオンバッテリーの採用に踏み切りました。

新型プリウス

4代目プリウスには小型・軽量化したリチウムイオンバッテリー搭載モデルもラインナップしました。

エネルギー密度の点では、ニッケル水素とリチウムイオンでは圧倒的な差があります。小さく軽いバッテリーで、室内空間の拡大と軽量化を達成し新型プリウスは動力性能と燃費を大幅に向上しています。寿命に関してもニッケル水素でも20万キロは持ちましたから、リチウムイオンバッテリーはクルマが朽ち果てるのが先か、バッテリーが寿命を迎えるのが先か?という問題になりそうです。

新旧プリウス バッテリーの比較

プリウス バッテリー

プリウスに搭載されるハイブリッドシステムのサブバッテリー

それではこれまで採用されてきたニッケル水素バッテリーと、現行型のプリウスのリチウムイオンバッテリーはどのように違うのでしょうか?内部構造を見てみましょう。

右が従来までのプリウスに搭載されていたニッケル水素バッテリー、左が新型プリウスに搭載されるリチウムイオンバッテリーです。中にはたくさんのセルが組み込まれていますが、1セルあたりの電圧もリチウムイオンバッテリーのほうが高くなっています。また大きさも新型のほうがより小さく、軽量化されています。

プリウスのハイブリッドバッテリー 気になる交換費用は?

ハイブリッドカーを維持する時に、気になるのはバッテリーの寿命が尽きた時の修理費用。プリウスのバッテリーを交換するときのおおよその金額を調べてみました。

プリウス バッテリー 交換費用

プリウスのニッケル水素バッテリー、気になる交換費用は!?

実例から見ると、バッテリー交換の費用は、¥170,000.- 程度です。プリウスのバッテリーは、すごく高いイメージがありますが、30系の駆動用バッテリーに関しては、これくらいの費用で済みそうです。ただし、私のプリウス仲間の間では、このバッテリーを交換した例をまだ聞きません。なので、データを見る限りでは、走行距離が200,000㎞くらいにならない限り、バッテリー交換の確率はかなり低いと思います。

出典:http://hmmmhmmm.com

ニッケル水素を使用する初期のプリウスでも、想像以上にバッテリーの寿命が長く、交換費用も20万円を切るくらいです。走行距離と燃費を考えると、交換を検討する余地は十分にあるといえます。

プリウスの補助バッテリーについて

プリウスはハイブリッドカーですが、実はプリウスに搭載されているバッテリーは、ハイブリッド用のサブバッテリーだけではありません。実はプリウスにも、普通のガソリンエンジン車と同様に、エンジン始動のための鉛バッテリーを搭載しています。

プリウス 補助バッテリー

プリウス 補助バッテリー

走行用のサブバッテリーのほかにも、エンジン始動用の補助バッテリーを搭載しています。

プリウスのバッテリーは混同を避けるため、ハイブリッドシステムに使用するバッテリーをサブバッテリー、エンジンを始動するバッテリーを補助バッテリーと分けて呼んでいます。補助バッテリーはトランクルームの板を持ち上げると、右端に搭載されています。

プリウスバッテリー 55D23L

プリウス バッテリー

プリウス用の補助バッテリー。

プリウス用の補助バッテリーは55D23Lを使用します。プリウスはD23Lを互換で使用できますので、このほかにも65D23Lや75D23Lなどのバッテリーにグレードアップが可能です。このバッテリーがないとエンジン始動できませんので、定期的なメンテナンスや交換は普通の車と同じです。

プリウス バッテリーのまとめ

プリウス バッテリーのまとめ

いかがでしたか?

以上プリウスのバッテリーに関する情報をまとめてみました。
他社が早々とリチウムイオンバッテリーに切り替えていたにもかかわらず、
プリウスは現行型でようやく本格的にシフトしてきています。

その理由は製造コストの問題や安全性、
さらにはニッケル水素自体にもまだ進化する余地があったからです。

このことから、メーカーそれぞれに独自の考えがあるのだとわかりますね。


それでは最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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