記事ID16478のサムネイル画像

デフオイルとは?交換の必要はあるのでしょうか?詳しくご紹介!

皆さんは「デフオイル」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?この「デフオイル」も交換する必要があるのでしょうか?この言葉を初めてお聞きになる方も、すでにご存じの方も、デフオイルの役割と、その交換方法について詳しくご紹介します。

デフオイルとは何のことでしょう?

ここで、まず「デフオイル」について考えてみましょう。「デフオイル」とは、「デフ」の「オイル」の事になりますが、では、「デフ」とは何でしょうか?

デフとは、エンジンの動力を後輪に伝える装置!

図をご覧ください。「デフ」とは、「デファレンシャル」の略で、エンジンの動力を後輪に伝えます。

図をご覧いただくと、エンジンは、図の縦方向(プロペラシャフト)を回転させますが、「デフ」は、その縦方向の回転を「横方向」へ変えるための装置で、中には「ギア」が組み込まれています。

また、デフは、クルマがカーブを曲がるときに生ずる、車軸の「回転差」を調整する役割も持っています。

動力の方向を変えるため、複雑な構造になっている!

写真をご覧ください。カーブ走行時の回転差を調整するため、ギアが複雑に配置されていますね。

ギアは金属でできており、金属同士が回転するため、摩擦が発生します。「デフオイル」はその摩擦をやわらげるための「潤滑油」ということなんです。

デフオイルは交換の必要があるのか?

前章で「デフオイル」がどういうものかご理解いただけたと思います。では、デフオイルは交換する必要があるのでしょうか?

交換時期はメーカーによってさまざま!!

デフオイルの交換時期は、メーカーによってさまざまですが、おおむね5万kmごとに交換と覚えましょう。

あるいは、期間でいいますと、おおよそ2年がめどとなります。ですから、クルマ屋さんでの整備のついでに確認を依頼するとよいと思います。

デフオイル交換は、純正デフオイルがベスト!?

基本的には、メーカー純正デフオイルがベスト!

では、デフオイルを交換する際、デフオイルの銘柄はなんでも良いのでしょうか?

デフオイルは、エンジンオイルと比較して、粘度が高いので、エンジンオイルとは異なるオイルを入れる必要があります。基本的には、純正デフオイルを入れれば問題ありません。

FF車にもデフオイルはあるのか?また交換はどうするのか?

皆さんは、「FF」とか、「FR」という言葉をお聞きになったことはありませんか?これまでご説明してきた「デフオイル」の交換は、「FR」車に必要な作業なんですね。では、FF車の場合はどうなるのでしょうか?

FR車とFF車の違いを知ろう!

「FR」車はエンジン動力をプロペラシャフトで伝える!

図をご覧ください。前にあるエンジンから、「プロペラシャフト」を介して、動力が後輪へ伝わります。

つまり、エンジンが前(フロント:F)にあり、駆動軸が後ろ(リア:R)にあるので、こういう構造のクルマを「FR」車と呼んでいます。後輪軸の中央にある●が「デフ」です。

「FF」車はエンジンとトランスミッションに駆動軸が直結!

反対に、「FF」車にはプロペラシャフトがありません。駆動軸はエンジンに直結しています。

このように、エンジンが前(フロント:F)にあり、駆動軸も前(フロント:F)にあるため、こういう構造のクルマを「FF」車と呼んでいます。

FF車のデフオイルはATF!?

FF車にもデフはある!

では、FF車の場合、デフオイルの交換はどうなるのでしょうか?

FF車でも、カーブを曲がるわけですから、当然デファレンシャルギア(デフ)はあります。ただ、FF車のデフは、エンジンおよびトランスミッションと一体になってつながっています。

ですから、FF車のデフオイルは、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)が担っています。
FF車のデフオイルはATF(オートマオイル、あるいはミッションオイル)と理解しましょう。

デフオイル交換の費用は?

デフオイルとその交換の必要性についてご説明してまいりましたが、実際にデフオイルを交換する際にかかる費用はどれくらいでしょうか?

ディーラーでのデフオイル交換料金

トヨタ系ディーラーでデフオイルを交換した場合の費用を考えてみます。

FR車の場合 デフオイル代金+2,160円(工賃) 作業時間:約20分
FF車の場合 16,200円(ATF・工賃込) ハイブリッド車の場合 9,720円(ATF・工賃込)
★ネッツトヨタ名古屋調べ

大手カー用品店でのデフオイル交換費用

次は、「オートバックス」などの大手カー用品店でデフオイルを交換した場合の費用です。

FR車の場合 デフオイル代金+1,620円~(工賃) 作業時間:約15分
FF車の場合 ATF代金+8,640円(工賃) ※軽自動車は工賃7,800円
★オートバックス調べ

デフオイルを自分で交換するには?

前章で、デフオイル(ATF)交換のおおよその費用がわかりました。
では、DIYでデフオイルを交換する場合、どのような手順になるでしょうか?

1.準備するもの

まずはデフオイルを用意しましょう!

何はともあれ、デフオイルが無いと交換ができません。

★注意!
デフオイルは、クルマによって種類が異なります。お手元の取扱説明書やインターネットでご確認いただくか、不明の場合はカーディーラーに確認してみましょう!

続いて「ヘキサゴンレンチ」

デフオイルを抜く、ドレンボルトと、注入用ボルト取り外しのため、ヘキサゴンレンチを用意しましょう。

次は「オイルサクションガン」を準備!

FR車のデフオイルの注入口は手が届きにくい所にある場合があります。

容量500cc程度の「オイルサクションガン」を用意すると、狭いところへもオイルをラクラク注入できますね。お値段は1,600円程度です。

オイルトレイも必要!

デフオイルを抜いた際に、受け皿となるオイルトレイもあると便利です。

オイルトレイも、さまざまな商品が販売されていますが、写真のオイルトレイは1,400円程度で手に入ります。

2.いよいよデフオイルを交換!

器具の準備ができましたら、いよいよデフオイルを交換しましょう。

1.まずは、10分程度クルマを走らせる!

先ほど、ご紹介しましたが、デフオイルは粘度が非常に高いため、常温では抜きにくくなります。

ですから、まずは10分程度付近を走行し、デフオイルを温めてあげる必要があります。

2.ジャッキアップ

続いて、写真のように、デフにジャッキを当て、ジャッキアップします。

3.ドレン(抜き取り側)とフィラー(注入側)ボルトを外す

先にフィラー(注入口側)のボルトから外します。先ほど準備した「ヘキサゴンレンチ」の出番です。

短いヘキサゴンレンチではボルトが回らない!?

フィラーやドレンボルトは非常に固く締めつけられています。

このようなときは、写真のように、別のレンチを使って、テコの原理で力を加えましょう。

4.ドレンボルト締め付け後、デフオイル注入

古いデフオイルがすべて抜けましたら、先にドレン(抜き取り側)ボルトをしっかり締め付けます。

次に、写真のように、「オイルサクションガン」を使ってデフオイルを注入します。

デフオイルを注入する前に、デフオイルを缶ごと温めておくと、オイルがサラサラになり、注入がしやすくなります。

★デフオイル注入のコツ!!
オイルサクションガンでデフオイルを注入すると、フィラー側からオイルがあふれるので、そこで1度注入を止めます。左右のタイヤを適当に回して、デファレンシャルギア内部にオイルを循環させることも大切です。

5.最後にフィラー(注入側)ボルトをしっかり締め付けて完了です。

FF車のATF交換はショップ依頼が賢明!?

上でのご説明は、FR車のデフオイルを交換する場合でした。では、FF車のATF交換は自分でできるものでしょうか?

ATは構造が複雑で、オイルが抜き取りにくい!!

イラストをご覧ください。AT(オートマティックトランスミッション)の内部は非常に複雑な構造になっています。

この複雑な構造ゆえに、ATFがなかなか抜き取れないことがあります。また、長年ATFを交換していないクルマで、ATFを交換してしまうと、ATの不具合を引き起こすこともあります。

ですから、FF車のATF交換に関しては、ディーラーやカーショップで依頼する方が賢明と思われます。一度ATが壊れてしまうと、オーバーホールで30万円程度かかる恐れもあります。

デフオイルやATFもまめに交換して快適なカーライフを!

いかがでしたでしょうか?
今回は、デフオイルとATFの交換についてご説明してまいりました。

クルマの健康診断を忘れずに!!

クルマも人間と同じ、いわば生き物です。放置しておくとどんどん劣化していきます。

クルマをいつまでも快適に使うために、エンジンオイルのみならず、デフオイルやATFにも気を配ってあげましょう。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ