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軽自動車なのにハイブリッド車、ワゴンRのメリットを調査しました。

現在軽自動車でハイブリッドを謳うものはワゴンR以外数台しかありません。燃費の良い軽をハイブリッド化したところでその燃費性能はさほど上がりませんし、軽い車体こそが売りである軽自動車をわざわざ重くする必要が無いからとされています。ワゴンRハイブリッドのメリットは?

ワゴンRってどんな車?

1993年の発売開始以来常に軽自動車界をリードしてきたワゴンR。現在5代目になっていますが、その5代目は次世代環境技術「SUZUKI GREEN Technology(スズキグリーンテクノロジー)」の第1弾の車種として開発されました。
今回はスズキの技術が生んだハイブリッド車としての5代目ワゴンRの魅力をお伝えしようと思います。

初代ワゴンR

1+2ドアという特異な外観を持つ国民的軽ワゴン

命名の理由が「ワゴンもあーる」からワゴンRになったという話は有名です。
実はこの車が販売される前に三菱からミニカトッポという車が出ていますが、今ではこのタイプの車の先駆け的存在として認知されているのはワゴンRです。

軽ハイブリッド車の歴史(スズキツイン)

短命だったスズキツインハイブリッド車

ガソリンの最低装備の物が49万円という低価格であるのに対し、ハイブリッド仕様の物は139万円と高価でした。

2003年に発売を開始するも、2005年には生産終了となったスズキツイン。やはりネックは価格でした。
しかし、この車のスペックを調べると面白い事が一つ分かりました。それは車両重量です。
ガソリンATの重量が600㎏(MTは570㎏)で、ハイブリッドも600㎏とハイブリッドにも関わらず重量は増えていませんでした。その技術が現在のワゴンRにも生かされているのです。

軽ハイブリッド車の歴史(ダイハツハイゼット)

短命だったダイハツハイゼットカーゴハイブリッド

2005年販売開始、2010年に生産終了。新車価格220万円以上と高価である事がネックとなり、販売は振るわなかったようです。

中古市場では非力であること以外はかなり高い評価を得ているハイゼットカーゴ。
ハイブリッドであるメリットが少ないと言われていましたが、スズキツインと共に少しデビューが早かったようです。

ワゴンRのハイブリッドシステム

スズキのワゴンRが採用しているエスエネチャージシステムは、ガソリンエンジンの走行をサポートしている訳では無いので厳密に言えばハイブリッドシステムではありません。重要な役割は「アイドリングストップ後のエンジンアシスト」と「減速時の発電、バッテリーチャージ」の二つです。

エスエネチャージのイメージ

ISG(モーター機能付発電機)とリチウムイオンバッテリーによる各種サポートの説明図です。

このシステムがなぜハイブリッドシステムと呼ばれるのかは、発進時のモーターシステムにあります。
エンジン内部に位置するISGの働きにより、発進から最大30秒間のエンジンアシストを行うからです。

ISGのイメージ図

直列3気筒エンジンの形態をとりながら、4気筒目をISGに任せているイメージです。

自動車が一番燃料を使う瞬間は「発進時」だとされています。それはワゴンRのような軽い車体でも2000ccクラスの重い車でも同じことです。
アイドリングストップ機能により、信号待ちなどの度にエンジンがストップしている状態から発進、加速を繰り返せばたとえワゴンRといえど燃費は落ちます。それをサポートするのが4気筒目のISGだと言えます。

電力の流れ略図

減速時に発生した電気をリチウムイオンバッテリーと鉛バッテリーの二つのバッテリーに振り分けて充電します。

エスエネチャージの売りの一つである「減速時の発電」ですが、これの何が良いのか分からないという意見があります。普通の車は走っている時に充電をします。それで十分ではないか、二重に必要ないだろう?という意見です。
実はワゴンRハイブリッド車は、基本的に走行中は発電していません。これが何を意味するかといえば、発電機無しでライトを点けて走っている自転車のようなものです。漕ぐ足がとても楽ですよね。これがワゴンRの小さなエンジンの中で起こっています。
当然燃費が良くなるというわけです。

実際の燃費比較

ワゴンR同士の比較

ワゴンR FXリミテッド

型式 DAA-MH44S 排気量 658cc
駆動方式  FF  燃費  33.0㎞/l  

※上記はカタログデータ

スズキ ワゴンR 2010年5月(平成22年5月) 発売モデル

型式 DBA-MH23S 排気量 658cc 
駆動方式 FF 燃費 21.0㎞/l

※上記はカタログデータ

上記2車種は最新型ワゴンRとエネチャージシステムの付く以前のワゴンRの比較です。
当然実測燃費は変わってきますが、今回は同一車種という事でカタログデータの比較をしてみましょう。ハイブリッド化された事の優位性が一目瞭然だと思います。
実際の口コミでも、エコ運転をしている限り最新型の実燃費は25㎞/l前後を推移しているようですし、価格に見合ったハイブリッドシステムなのではと思われます。

メリットを感じて頂けましたでしょうか?

ワゴンRのハイブリッドはまだまだ進化しそうですが、燃費の良さだけで無く、排出ガスの低減や下取り価格の高さなど、メリットは他にもありそうです。この記事で少しでもワゴンRのメリットに気付いていただければ幸いです。ありがとうございました。

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