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新型ポロGTIレポート コンパクトホットハッチ好きは必見!

今春発表された新型ポロGTI。走行性能・燃費性能・取り回し等、先代モデルとの比較も交えながら詳しくご紹介します。各社ともボディサイズが肥大化する近年において、新型ポロGTIはコンパクトホットハッチを貫きつつ性能を高めているフォルクスワーゲンの主力モデルです。

フォルクスワーゲン主力モデル新型ポロにホットハッチグレード「ポロGTI」登場!

日本における輸入車市場第1位のメーカーであるフォルクスワーゲン(以下VW)の中でも、ゴルフに並ぶ主力モデルである新型ポロから待望の「GTI」グレードが今春導入されました。5ナンバーサイズでありながら、大出力エンジンを搭載し足周りもチューニングされたホットハッチモデルです。新型ポロGTIの運動能力はどれほどのものなのでしょうか?

新型エンジンスペック

新型1.8L エンジン

ターボと直噴を組み合わせた新型TSIエンジン

ダウンサイジングターボエンジンのパイオニアであるVWですが、ほとんどの現行車種におけるエンジンラインナップは1.2L及び1.4Lが主力になっています。その中で新型ポロGTIは排気量を先代モデルの1.4Lから1.8Lへと拡大し、192PSの高出力を実現しました(先代比+12PS)。標準グレードのポロが90PSであるのに対し、新型は倍以上のパワーを誇ります。新型ポロGTIにはVW車の中でもボディサイズの大きいパサートやシャラン等よりも高出力のエンジンが搭載されているのです。エンジンスペックでは兄貴分のゴルフGTIには敵わないものの、車重の軽さなどから実際の走行性能ではゴルフGTIにも引けを取らないことはメーカーホームページでも公表されています。
小さいボディに大出力エンジンを載せて軽快な走りを楽しむ車、それが新型ポロGTIなのです。

高いパフォーマンスを実現する数々の新型ポロGTI専用装備

GTIの象徴である赤いブレーキキャリパー

新型ポロGTIは、外見的には標準グレードと比べてもホイールが大きくなりフロントマスクが少しワイルドになったかな?程度しか違いはありませんが、その中身はポロGTIと標準グレードとでは全くの別物です。
<新型ポロGTI専用装備>
○大径ブレーキディスク
○専用スポーツサスペンション
○XDS(電子制御式ディファレンシャルロック)
○パドルシフト
          ...などなど
メルセデスベンツやBMW等と比べて外見上の派手さの少ないVWですが、実は中身は高品質に作られていることがVW車の人気の理由の1つに挙げられるでしょう。
新型ポロGTIも同様です。エンジン始動の瞬間からそのサウンドの違いを感じることができます。アクセルを踏み込めば、体がシートに抑えつけられるというよりは前方から吸い込まれているような感覚で加速していきます。しかもその感覚は、デュアルクラッチ式のDSGトランスミッションのおかげで全く切れ目なくテンポよく駆け上がっていきます。

「走る」「曲がる」「止まる」徹底追及

しかし、VWのGTIモデルの凄さはここからです。「走る」「曲がる」「止まる」を徹底して磨きあげた新型ポロGTI。新型から搭載されるXDSはコーナリング中に駆動輪内側に軽くブレーキをかけることで接地性を高めるものですが、このXDSの能力が非常に良いのです。元々ハンドリング性能は定評のあるポロGTIですが、峠道で少々無茶して急ハンドルをしてもその通りに曲がってくれるのです。新型ポロGTIにのっていると自分が運転が上手くなったような錯覚さえ覚えてしまいます。
さらにはブレーキ制動力。120Km/h以上の速度からのフルブレーキを試しましたが、これが1番驚きでした。専用スポーツサスペンションの効果も相まって車体の挙動がぶれることもなく、前のめりになることもなく4輪がしっかり接地感を保ちつつ停止しました。
合わせて他メーカー車(国産車)とのABS作動比較を試しました。そもそも”ABS”とは、”ブレーキング時でもステアリング操舵を可能にする”ためのものです。単純にホイールロック防止のためだけではありません。他社の車はABS作動時の車体の挙動は、車が斜めに進んでいる感じでした。しかし、新型ポロGTIでは、確実にステアリング操作通りに車が曲がっていることを実感できました。どの車も同じと思っていると大間違いであることを教えられた気分でした。

新型ポロGTIのボディ剛性の高さ

これはポロGTIに限った話ではありません。
以前、ポロのセンターピラーを切り取った実物カットモデルに触れられる機会がありました。比較用に某国産車メーカーの同サイズ車のセンターピラーもありました。
見た目にはどちらも大きな違いは見受けられません。鉄板の厚みも同じ程度でしたし、持ち上げてみても重さもほとんど変わらずでした。しかしその強度は明らかに違います。
男二人で持ち上げ、両端を持ちねじる様に力を加えてみると、その違いに愕然としたのです。ポロのピラーは全く歪むことなく、びくともしなかったのですが、国産車のピラーに関してはさほど苦も無くねじることができました。同じサイズの車でもここまで違うのかと驚いたことをはっきり覚えています。

ポロGTIが永く愛される理由

エンジンパワーを上げればどんな車であれ加速はします。重要なのはその有り余る力をきっちり制御できるかどうかだと思います。個人的主観ですが、このトータルバランスの良さからくる運転の楽しさと安心感が、ポロGTIが永く愛されている理由かもしれません。
「輸入車って同じくらいの大きさの割に国産車に比べて高いよね…」という意見をよく耳にします。恥ずかしながら私自身も以前はそう思っていました。しかし、今は自信を持ってこの意見を否定できます。
「見えない部分をどれだけこだわってしっかりと造りこまれているのか。価格差に見合うだけの中身の造りになっているのです!」と。しかしこれは、実際に知らないと理解してもらうのは難しいかもしれません。
ただし誤解の無いように。決して国産車が手抜きをしているとは思っていません。しかし、新型ポロGTI含めVW等の輸入車は、外見重視の国産車とは根本的に構造が異なるのです。私の記事を読み輸入車への理解を深めていただくことができれば幸いです。

日本の道路事情にピッタリ!新型になり燃費性能もアップ!

VW車の燃費に貢献するデュアルクラッチギア「DSGトランスミッション」

近年、どのメーカーもボディサイズがどんどん大きくなり、かつては5ナンバーサイズであった車種が3ナンバーとして登場するケースは増えています。しかし、そんな中で新型ポロはコンパクトハッチバックであることを貫き続けている数少ない貴重車と言えるでしょう。
5ナンバーサイズであることから、日本という狭い道理事情においては最適サイズであります。また、穏やかに運転すればその通り穏やかに走りますが、ひとたびアクセルを強く踏み込めばGTIとしての走りが本領発揮されます。外見は5ナンバーであっても、実はその中身は並みの3ナンバー車を蹴散らす能力を持った車、それが新型ポロGTIです。
また、排気量アップしながらも燃費は旧モデルよりも改善され17.2km/lを達成!低回転から大きなトルクを得られるエンジンであることから、無駄に回転数を上げなくとも軽快な走りができるポロGTIはパワーと燃費を両立させた優等生なのです。

ポロGTIに待望のMTモデル登場!

MT車シフトレバー

これまでDSGモデルのみだったが新型ポロGTIからMT仕様が追加された

意のままに操り走る喜びを味わいたいスポーツドライビングを愛する人からは、MT仕様車を熱望する声が多いのが事実でした。日本仕様車からMTモデルが無くなったことで、他社のMT車へ乗り換えた人も少なくありません。
しかしこの度、VWのスポーツモデルトップ3である、「ゴルフR」「ゴルフGTI」「ポロGTI」から待望のMT仕様車が追加されました。VW社としてもMT仕様を求める声が多いことは当然把握しており、この声に応えることでさらに満足度を高めていきたい考えだと思います。
DSGトランスミッション自体も構造的にはMT車と同じではあり、その動作を機械が自動で動かしてくれているものであるため、MT車と同じダイレクト感はあります。しかし、MT車好きはそろって「やはり自分でシフトレバーを動かしたい」と言います。そういう人達にはぜひこの新型ポロGTIのMT仕様車に乗っていただきたいと思います。

WRC 3年連続ワールドチャンピオン獲得!

WRCレースマシン

VWは2013年から再びWRC参戦を始めました。セバスチャン・オジェ含め3名のドライバーを迎え、再開以降3年連続でワールドチャンピオンを獲得という輝かしい成績を残し、今なお更新中なのです。そしてそのマシンこそが、ポロなのです。といっても「ポロR」というポロGTIのさらに上の車ではありますが、市販車をベースに改造されたマシンであり、兄弟車である新型ポロGTIにもその血は受け継がれています。

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