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トヨタコンパクトカーの祖!国民車構想の申し子!パブリカの価格

トヨタ自動車初の大衆車パブリカ!中古市場でも台数が少なく希少車となっていますが、旧車ファンの方の中でもパブリカは比較的人気の高い車種ですね。では実際価格はどのくらいなのか?パブリカの中古市場から価格を検証していきたいと思います。

トヨタ初の大衆車パブリカ!

価格の検証に入る前に!
今一度パブリカの概要やパブリカが生まれた背景などについておさらいしていきましょう!

パブリカとはどういう車?

パブリカ DX

パブリカとはトヨタ自動車が1961年から1978年まで生産した小型乗用車で、1955年に現在の経済産業省(当時は通産省)の自動車課が国民車構想(日本版フォルクスワーゲン計画)を計画しているというまことしやかな報道があり、それに基づいてトヨタが開発した車がパブリカなのです。

ではその国民車構想というものはどういったものだったのか?
この構想で通産省(現在の経済産業省)が想定した「国民車」としての性能は、
いずれも技術面はクリアできても各メーカーどうしても価格の面で折り合わず不可能とされている。

ちなみに国民車構想で挙げられた国民車の性能は
1.最高時速100km以上。
2.乗車定員4名、または2名と100kg以上の貨物が積めること。
3.平らな道路で、時速60kmのとき、1Lの燃料で30km以上走れること。
4.大がかりな修理をしなくても、10万km以上走れること。
5.月産2,000台の場合、最終販売価格は1台25万円以下でなければならない。
6.性能と価格から勘案されるエンジンの排気量は350~500cc、車重は400kg以下。

そような背景からそれに近い車の開発をトヨタが行った結果生まれたのがパブリカなのです!
車名のパブリカはパブリック・カー(大衆車)を略した造語であるが車体、居住空間、価格。
まさに国民車構想の申し子的な車であると言える。

パブリカのラインナップと価格

パブリカ800コンバーチブル

パブリカは大衆に広く支持されるようラインナップも豊富である。

主要ラインナップと主要モデル新車価格
1961 - 1969年
・パブリカ700スタンダード(UP10型) 価格389,000円
・パブリカ800デラックス(UP20D型) 価格429,000円
・パブリカ800コンバーチブル(UP20S型) 価格489,000円
・パブリカ800トラック(UP26型) 価格379,000円
1969 - 1988年
・パブリカ1100SL(KP30S型)
・パブリカ1200デラックス(B-KP50型)
・パブリカバン1000デラックス(KP30V)
・パブリカピックアップ1300デラックス(J-KP39P)
がある。

ちなみに1962年の全日本自動車ショーでパブリカスポーツを出品していましたが
1965年に改良を加え量産販売されたのがトヨタ・スポーツ800である。
ちなみにS800は発売当時新車価格は653,000円であった。

パブリカ カタログ

現在の中古車市場でのパブリカの価格

現在パブリカを購入しようとしたら当然中古になるわけですが。
では中古市場ではどの程度の価格で購入できるのか?
結果は
価格約30万(パブリカピックアップ)ほどからキレイにレストアされたパブリカDXなどは価格100万以上するものもある。
ただもし購入するのであれば、やはり古い車なので必ず目で確認してからにしたいところだ。

パブリカの車としての評価は?

パブリカ DX

居住性、動力性能、生産台数

パブリカ発売当時としては価格は軽自動車並み、排気量は倍近くとなれば圧倒的な人気車種に!
さらに当時のカタログにはこううたわれています。
「おとな4人がゆったり乗れ、シートの広さも頭部や足もとの空間も、余裕たっぷりです。華やかな中にも落着きを漂わせたシートの色調、やわらかなカーペットなど、室内は、いかにも高級車らしいムードにあふれています。防音装置を完ペきにしたため、室内はさらに静かになりました。」

パブリカは実に27年間にわたり大衆に支持され続けてきた
マイナーチェンジによってスペックは変わっているが1969年までの主なスペックは
エンジン:0.7/0.8L 空冷水平対向2気筒OHV
変速機:2AT、4MT
全長:3,580mm
全幅:1,415mm
全高:1,380mm
ホイールベース:2,130mm
車両重量:600kg
サスペンション:前:ウィッシュボーン/トーションバー、後:横置きリーフスプリング
ブレーキ:前後:ドラム
乗車定員:4人
(データモデルはパブリカ700デラックス 4速MT)

日野自動車やダイハツ工業へ生産移管される前のトヨタ累計生産台数は1,383,255台となっている。
当時としてはやはりかなりの台数であったと思われる。やはり価格やスペックが大いに貢献していたのであろうと思われる。

パブリカのライバル車との比較

パブリカのライバル車と言って思い浮かぶのはスターレット(トヨタ)とチェリー(日産)かもしれません。
スターレットは同じトヨタ系列であり、当初はパブリカ・スターレットとして販売もしていたのでここでは日産チェリーとスペック、価格諸々比較してみたいと思います。

日産 チェリーとの比較

日産 チェリー X-1 セダン

日産の大衆車「チェリー」は1970年10月、「サニー」の下に位置付けられる車種として発売されました。当初リッターカーとしてスタートしたサニーが、同年1月のフルモデルチェンジにより1.2L化され車格が上がった為、それに代わるエントリーモデルとしての位置付けでした。又、トヨタが販売していた同クラスの「パブリカ」への対抗措置でもありました。

1970年というとパブリカではマイナーチェンジが行われた。インストルメントパネルを変更し、1,200ccモデルにシングルキャブレターのハイ・デラックス仕様が登場、前輪ディスクブレーキが標準装備となった。これと同時に自動車排出ガス規制対策として、全エンジンにブローバイガス還元装置が設定された時期である。

実際にスペックや価格から両車を比較してみましょう。

[パブリカ(2代目前・後期型70/9~)]
(バリエーション)
800STD/DX
1000DX
1200HI-DX/SL
(ボディバリェーション)
2ドアセダン、2ドアバン、ピックアップ
(型式)
トヨタUP30(800)同KP30(1000)同KP31(1200)バン、ピックはUP/KP36、37と呼称
(サイズ)
全長3645mm全幅1450mm全高1380mm
(ホイールベース)
2160mm
【車重】
660~690kg
(搭載エンジン)
2U-C型 800cc 空冷2気筒 OHV シングルキャブ 40ps/6.8kgm
2K型   1000cc 水冷直4 OHV シングルキャブ 58ps/7.9kgm
3K型   1200cc 水冷直4 OHV シングルキャブ 68ps/9.5kgm
3K-B型 1200CC 水冷直4 OHV ツインキャブ 77ps/9.6kgm
(ミッション)
4速MT/2速トヨグライド
(脚廻り)
Frストラット/Rrリーフリジット
(駆動方式)
縦置きFR
(価格)
800STD 価格365,000円
800DX 価格395,000円
1000DX 価格445,000円
1200HI-DX 価格475,000円
1200SL 価格495,000円
※4MTの価格

パブリカ 800スーパー


[チェリー(初代70/10~)]
(バリエーション)
1000STD/セミDX/DX/GL
1200X-1
※全種2/4ドアをラインナップ
(ボディバリェーション)
2ドアセダン、4ドアセダン
(型式)
日産E10型(1000)同PE10型(1200)
(サイズ)
全長3610mm全幅1470mm全高1375~1380mm
(ホイールベース)
2335mm
(車重)
610~655kg
(搭載エンジン)
A10型 1000cc 水冷直4 OHV シングルキャブ 58ps/8kgm
A12型 1200cc 水冷直4 OHV ツインキャブ 80ps/9.8kgm
(ミッション)
4速MT
(脚廻り)
Frストラット/トレーリングアーム
(駆動方式)
横置きFF
(価格)
1000STD 価格410,000円
1000セミDX 価格415,000円
1000DX   価格460,000円
1000GL   価格500,000円 
1200X-1   価格545,000円
※2ドアの価格、4ドアは35,000~40,000円UP。

チェリー F-Ⅱクーペ1200

パブリカ?チェリー?

パブリカ 1000

日産 チェリー

上記で述べたようにエンジン搭載/駆動方式とチェリー4ドアモデルの存在を除いて両車、サイズ的にも両車それぞれの上位車種であるカローラとサニーより若干小さくなっております。
パブリカがチェリーより若干長いながら幅はチェリーが若干広い、ホイールベースは全長が短いチェリーがパブリカより+175mmも大きくFFらしく室内長さ、足元空間でパブリカに差をつけていました。
また、国内では珍しかったFFの採用、サスペンションなどのメカニズムはチェリーのほうが先進であった。
しかし、日産の意気込みとは裏腹に、販売は発売当初から今一つ伸び悩み、パブリカの牙城を切り崩す事は出来なかったのである。

パブリカを選ぶ理由

パブリカ コンバーチブル

今となっては希少車であるパブリカ
それでも尚、探し出し購入するのか?乗り続けるのか?
実際パブリカを所有されている方の声ははどのようなものなのでしょうか?
価格面なども含めて調べていきましょう。

外装、デザインについては
「カッコイイ」、「注目される」、「同じ車に出会う事がまずない」
等がありました。

価格面ではどうでしょう
「車両価格が安い」、「燃費がいい」、「維持費が安い」
等でした。

パブリカのまとめ

色々検証してきましたが、長きにわたりトヨタの小型車の代表格として生産されてきたパブリカ。
街中ではほとんど見かける事はできませんが、今でも大事に乗り続けている方もたくさんいらっしゃいます。

今の車とは性能はもちろんデザインも中々見受けられないデザインだと思います!

もし、購入を検討するのであれば、オールドカー全体に言えることですが
こまめに面倒を見られる方に乗っていただきたい。
なにせ初期型ともなれば50年以上の車両となる為、レストアや部品調達に苦労している方も少なからずいるようです。
それを苦とされない方!是非パブリカを探しに行きませんか?

パブリカ(ミニカー)

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