記事ID9592のサムネイル画像

「Baroque Angels」と呼ばれたBMWの最初の戦後型モデル、BMW501!

BMW501は、1951年のフランクフルトモーターショーで発表、翌年11月に発売開始。当初のBMW501は、6気筒エンジンを搭載、1955年にV8エンジンが追加され、丸味を帯びたフェンダーラインが独立したクラシカルな姿のまま、1962年まで継続生産されました。

BMW501の概略紹介

 BMW501はドイツの自動車メーカー BMWが1952年から1962年まで生産した大型乗用車です。第二次世界大戦後、自動車主力工場があったアイゼナハが東ドイツに編入されてしまったBMWが、敗戦から6年後のフランクフルトモーターショーで発表した最初の戦後型モデルです。

BMW501
乗車定員 6人
ボディタイプ 4ドアセダン、2ドアクーペ、カブリオレ
全長4,730×全幅1,780×全高1,530mm
ホイールベース 2,835mm
車両重量 1,340kg

 1951年に、フランクフルト・ショーで発表され、翌年11月に発売、ボディ架装はシュツットガルトにあるコーチビルダーのバウア社が受け持ち、1958年まで生産されました。後継モデルのBMW 2600まで含めると、1962年まで生産されました。

 それでは、BMW501の性能、デザインと価格について、順次紹介していきます。

BMW501の性能

エンジン

 デビュー当初のBMW501は戦前の6気筒エンジンM78型をベースにヘッド、インマニ、クランクシャフトなどを改良したNewエンジン(M337/1型 1,971cc 65hp)を搭載した。しかし、車体は重く最高速度は135km/hに過ぎず、ライバルのメルセデス・ベンツ220(W187)の140km/hにも及ばなかった。

M337/1型エンジン 水冷直列6気筒OHV
総排気量 1,971cc
最高出力 65hp/4,000rpm
最大トルク 13.2kgm/2,000rpm

BMW501に搭載

 1954年3月からは、BMW 501A・B(Bは内装廉価版)にマイナーチェンジし、72hpに引き上げたM337/2型(1971cc)を搭載し、最高速度は140㎞/hとなった。

M337/2型エンジン 水冷直列6気筒OHV
総排気量 1,971㏄
最高出力 72hp/4,400rpm
最大トルク 13.3kgm/2,500rpm

BMW501 A/Bに搭載

 1955年には、BMW 501 L6にマイナーチェンジし、出力は同じ72hpですが排気量を2077ccに拡大し、圧縮比をアップしたM337/3型を搭載し、最高速度を145㎞/hまで引き上げた。ボディもマイナーチェンジを受けて3分割の湾曲した大きなリアウィンドーが付けられた。

M337/3型エンジン 水冷直列6気筒OHV
総排気量 2,077cc
最高出力 72hp/4,500rpm
最大トルク 13.8kgm/2,500rpm

BMW501 L6に搭載

 さらに、1955年4月には501にも502のM502型V型8気筒 2,566cc エンジンが搭載され、502の廉価版として「501 V8」として売られることになった。このV8エンジンによってBMWはようやく戦前のスポーティーカーとしての名声を回復し、警察や消防向けの需要も獲得出来るようになった。

BMW501 V8

 エンジンはBMW502のM502を搭載。パワーは95hpに抑えられている。

M502型エンジン

水冷V型8気筒OHV
総排気量 2,580cc
最高出力 95hp/4,800rpm
最大トルク 18kgm/2,500rpm

BMW501 V8に搭載

変速機

  変速機 4速MT
  駆動方式 FR

サスペンション

  前:独立・ダブルウィッシュボーン・トーションバー
  後:固定・3リンク・トーションバー

ブレーキ

  4輪油圧式ドラムブレーキ

BMW501のデザイン

 BMW501のデザインについて紹介します。

BMW501 V8

BMW501のデザインは、ピーター・シマノフスキによって社内で設計されました。

BMW501 V8

そのデザインの最大の特徴は、戦前の伝統に従う車で、愛称が「Baroque Angels」と呼ばれることからもわかるように、バロック調を思いださせるデザインにつきると思います。

BMW501 V8

BMW501は、良好な居住性と乗り心地、優秀なヒーターが長所であった。

BMW501 V8

 赤レザーインテリア

BMW501 V8カブリオレ

ボディは6人乗り4ドアセダンが標準であったが、1954~1955年にかけてバウア製の2ドアのクーペとカブリオレも少数生産されたが、高価なこれらのボディはV8エンジンを搭載して「502」として生産されることが多かった。

BMW501の価格

 BMWは、1952年4ドア高級セダンである 501 を発表しましたが、1万5,000マルク(当時のドイツの平均給与の約4倍)以上という価格で、戦争で疲弊したドイツの状況とは合わなくて良い成果をおさめることができませんでした。

BMW 501 Limousine(1952年~1954年)15,550~15,150マルク
BMW 501 A Limousine(1954年~1955年)14,180~13,150マルク
BMW 501 B Limousine(1954年~1955年)12,680~11,950マルク
BMW 501 A Coupe(1954年)18,100マルク
BMW 501 A Cabriolet 2ドア(1954年)18,200マルク
BMW 501 A Cabriolet 2ドア(1954年)18,200マルク
BMW 501/6 Limousine(1955年~1958年)12,500~11,500マルク
BMW 501/6 Coupe(1955年~1958年)17,850マルク
BMW 501/6 Cabriolet(1955年~1958年)17,950マルク
BMW 501 V8-Limousine(1954年~1958年)13,950~13,450マルク
BMW 2.6 Limousine(1958年~1961年)13,450~15,450マルク
BMW 2600(1961年~1962年)16,240マルク

まとめ

 BMW501 は高級車だったので、終戦後のドイツでは高嶺の花であり、販売は振るいませんでした。経営危機が去った1961年、BMW501は前輪ディスクブレーキに変更、内外装を少し変えて車名を BMW2600 に改められました。

 BMW501について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ